スケッチブックに図や絵も使って記録するようになったのは2011年頃のこと。当時は「グラフィックレコーディング」なんて言葉は知らずに「スケッチブックプレゼン」と呼んでいました。
参加人数が少なったり、プロジェクターのない会場でワークショップの運営・進行するときに、紙芝居のようにスケッチブックをスライド代わりに使ったのが始まりです。
大きなスクリーンがあると、図や絵、写真を使って、わかりやすく説明することができる。けど、一方で、参加者の視線はスクリーンに向いてしまって、話者であるわたしと視線が合わない。これってとっても不安で寂しい。それに、スライドを投影するときには大抵、室内が暗くなっているので、なんだか静かでまったりした空気になりがち。(もちろんファシリテーターの技量によるところも大きいのですがw)
それが!B4サイズのスケッチブックを胸元に置いて説明をすると、参加者の視線が上がって、目線が合うのです。ググっと参加者との距離は縮まる(気がする)し、話し手であるわたしもなんとも言えない安心感がある。さらには手書きの文字のあたたかさも相まって、なんだかとっても場があたたかく和やかな雰囲気になったのです。
これに味をしめて、それ以降、ワークショップやイベントの進行をするときにはスケッチブックを活用していました。
当時、社内研修の企画やファシリテーションの仕事をしていたこともあって、常々感じていたことに、
グループワーク中の議論や対話はとても弾んでいて、活発にいろいろな意見交換がなされているのに、最後に「これまでの話を模造紙にまとめて発表してください」と言われると、なんだか残念なことに…。あれ?さっきまであんなにステキなエピソードがたくさん話されていたのに、なんでありきたりの発表になっちゃうんだ???と思うことしばしば…。研修あるあるですねw
そこで、
と、あえて、研修の最後に(模造紙1枚にまとめてください的な)まとめは設けず、どんなことが話されたのか、どんなことが起きたのか、プロセスを記録していけばいいのでは?と、手描きでその場で描いていくグラレコ的手法にのめり込んでいきます。
あと、取締役会の事務局をやっていたことも大きかったかも。正式な議事録とは別に、その場で誰が何を話したか?を逐語録未満議事録以上のメモを残していました。手描きではなく、パソコンにカタカタとその場で入力していって、閉会と同時に仕上げてメール送信!を繰り返していく中で、大事なこと(熱量高く発言していたこと)や名言(迷言)を聞き逃さずに記録する力がついたのかもしれません。
グラレコはどこでもいつでもできます。誰に断らなくても、人の話を聞くときに、自分のノートをグラレコ風に記録していけばいいのですから。
残したいと思うものを楽しく描く。そのためにも楽しく「場数」を踏むのがいちばんだって思います。